18日に行われたJ3第13節・相模原vs藤枝はMF徳永裕大が開始早々に奪ったゴールを守り切った相模原が勝利した。その試合後、監督会見で“珍光景”が見られた。
アウェイ側の藤枝・大石篤人監督が会見場に姿を現すとすぐに「あいつ(相模原・安永聡太郎監督)いないの? もう呼んで来てよ。一緒にやろうよ(笑)」と相模原の広報に要求。数分後、広報に呼ばれた安永監督が記者会見室に現れると、一瞬戸惑いの表情を浮かべたものの、すぐに大石監督が自ら用意しておいたイスに座り、おそらくJリーグ史上初となる、両チームの監督による“同時会見”が行われた。
試合の総括や記者時間からの質問への受け答えなど、通常通りの流れで会見は進んで行ったが、一通りやりとりが終わると“二人の時間へ”。
大石監督の「なんであのシステム(4-1-3-2)にしたの?」という質問に対して、安永監督は「3バックも1回考えたの。でも、急造でウチを3バックにしてお前のところのワイドと戦わせても、ウチのほうがはがされると思った。だったらミスマッチをあえて作って、サイドは(ある程度やられても)OKにして(クロスを)入れさせたのをはじいてカウンター(を狙った)」と試合前に考えていたプランを明かした。
続けて大石監督が「(決勝点を決めた)徳永くんは気が利くので、ウチのコーチも『右サイドの21番(徳永)、イヤですね』という話はしていた。案の定、そこでやられた」と内情を明かす。また、相模原の中盤の人選については「(アンカーの)岡根(直哉)くんが出るかどうか、(その代わりとして)千明(聖典)なのか、菊岡(拓朗)なのか」と、誰が出てくるのかを予想することも難しかったと打ち明け、「もうちょいつないでくるだろうなと思っていたけど、はっきり(蹴って)きましたね」と、試合展開も予想外のものになったと語った。
ここで一旦“同時会見”は終了となったが、記者陣が会見場を去ったあとも二人の質問合戦は続いていた。
S級ライセンスの同期にあたる両監督。昨季途中に相模原の監督に就任した安永監督にとって藤枝は監督として初めて勝利を挙げた相手であり、大石監督はライバル。昨季の対戦でも記者陣の中に紛れお互いの監督会見を聞き、質問をし合うなど、仲の良さを見せ付ける両者。今後もこの二人のピッチ外の共演から目が離せない。
文・写真:須賀大輔(エルゴラッソ相模原担当)
(BLOGOLA)
2017/06/19 10:51