
J2第16節・愛媛戦で今季初出場ながら、プロ3年目で自身J初得点となる同点ゴールを奪った千葉のDF乾貴哉。「決め切るところで自分が決められたこともうれしいが、良い流れになってゴールラッシュにつながったのが成果」。先制点を許してからの戦い方がチームの課題だっただけに、値千金の一発が今季初の逆転勝ちの呼び水となったことを最大の収穫と捉えた。
それを補完するのが同じピッチに立った大先輩のMF佐藤勇人の言葉。「メンバーに入るのも厳しかった若い選手が、ピッチで結果を残すというのはメンバーに入れなかった選手のモチベーションにもなるし、チームのレベルを上げるきっかけにもなる。苦労した選手が結果を残してくれると、個人的にもうれしい。本当に乾がゴールを取ってくれて良かった」。この最大限の賛辞からも同点弾の価値が推し量れるだろう。
仲の良いプロ2年目のDF岡野洵が第13節・長崎戦から一足早く先発をつかんだことが刺激になったかとの問いに対して、乾は「『うれしいな』という気持ちはあったが、(自分にも)いつかチャンスがくると思っていた。そこでしっかりチャンスをつかめるようにやるだけだったので、意識することはなかった」。一方で同じ寮に住む高卒ルーキーのMF髙橋壱晟を含め、「『3人で出よう』と言っていて、その3人で出られたので自分もうれしかった」と若手3人組がそろい踏みし、すぐに結果が出たことを素直に喜んだ。
ただ、ここが目的地ではない。「リーグ戦はまだまだ長い中、夏場に負けない運動量だったり、自分みたいな若い力が必要。アシストと得点を取れる選手になる」。出場機会を得た充実感と安ど感はそこそこに、次節・岡山戦での先発出場を見据えた。
(千葉担当 大林洋平)
2017/06/01 18:14