昨季リーグトップの走行距離を記録し、鳥栖のアンカーとして存在感を発揮した高橋義希。今季はチームが試合中に布陣変更を行う際に交代を強いられるなど終盤の末脚を見せる前に退くことが増えていた。そして、J1第8節・神戸戦では今季初の先発落ち。代わって小川佳純が先発し、チームも勝利したことで続く第9節・鹿島戦でも高橋は先発落ちとなってしまった。
昨季の実績を考えれば想像もつかないような状況だったが、高橋は「何かが足りなかったり、良くなかったから外されたんだなと思ったけど、だからといって自分の中で何かを変えたわけではない」とその時期について振り返る。しかし、小川のプレーを見た高橋は「攻撃の部分ではやっぱり自分と違うし、自分にはできないこともあったりする」と感じていた。ただ、「刺激になった」と話すように意識の部分では変化も与えてくれていた。
そんな中で第10節・横浜FM戦で先発に復帰。自慢の走力を見せ、チームの完封勝利に貢献した。「自分らしさも出せたと思うし、チームとしても無失点に抑えることができて良かった」と内容と結果について一定の手ごたえを得ている様子だった。小川という存在が与えた競争は高橋の成長にとっても貴重なものになっている。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2017/05/11 20:27