代表発表というのは、どんな選手にも明暗が分かれるものだ。選ばれたことに歓喜する選手もいれば、選ばれなかったことに落胆する選手もいる。2日、日本サッカー協会はU-20W杯に挑む21名のU-20日本代表を発表。湘南からは今季リーグ戦でハイパフォーマンスを見せている杉岡大暉が選ばれ、その一方で昨年のAFC U-19選手権で代表の一員として戦っていた神谷優太が落選した。
AFC U-19選手権に出場し、けがで途中離脱を余儀なくされた時から、神谷はすぐに頭を切り替えてU-20W杯を見据えてきた。しかし、一つの目標として掲げてきたU-20W杯への出場を前に、神谷の下へ届いたのは落選の報だった。
「当日と試合の前日まではちょっと……。また試合に出られれば吹っ切れるかなという思いはあったけど、出られなくて悔しい思いもあって。やっぱり正直“悔しい”という思いしかなかったですね」
誰よりも強い思いを持ってきたからこそ、そのショックは計り知れないものだったことだろう。それでも神谷自身は「(気持ちのブレを)プレーに出さないことが一番大事だと思うし、それでチームに迷惑をかけてしまうのが一番よくない」と、いち早く切り替えようと前を向いている。
そして、前節・山口戦の試合後の一幕が神谷の背中を押している。
「試合が終わった後にあれだけサポーターに熱い声援をもらったので、サポーターにも感謝がある。メンバーに入っていたらもしかしたらああいうことはなかったかもしれないし、素直に喜びをもらえたと思う。本当にああいうサポーターたちに恩返しできるように頑張っていきたい」。
翌日に行われた明治学院大学との練習試合では鬼気迫るプレーを見せた。「気合いを入れてやった。自分の中で一つ変われたと思う」と7番を背負った男は言う。今節・町田戦は神谷にとって新たなスタート。さらなる高みを目指して歩みを進める。
(湘南担当 林遼平)
2017/05/05 14:31