今節・横浜FC戦に臨む岐阜。J2残留を誓う中、岐阜のFW難波宏明にとっては古巣戦となる。
異色の経歴を持つストライカーにとって、横浜FCは“二度目のプロ入り”を果たした古巣クラブ。高卒の2001年にプロの門戸を叩き、流通経済大学を挟んで再びプロとしてのスタートを切った原点だ。
「プロとしてもう一回スタートをさせてもらったクラブ。そこからいろいろな経験を積ませてもらったので、チーム自体にはとても感謝している」
ただ、そう感謝の思いを紡ぐ一方で、一人のプロ選手としては別の感情も抱いている。「13年にレンタル(移籍)で水戸に行き、自分の成長した姿を(もう一度)横浜に帰って見せることができなかった」と難波。「その(悔しい)思いは、いまも強く持っているし、その気持ちでやってきた」という。
果たして水戸、横浜FCを離れて加入した14年の岐阜では、31歳にしてキャリアハイの12得点を挙げ、昨季も自己最多タイの12得点。もちろん残留争いの佳境で迎える今節だけに“チーム一丸”を強調した難波だが、「昔よりいまのほうが良い自分だという思いもありますか?」と聞くと「それは絶対にあります」とも語る。
多くの経験と悔しさを自らのパワーと成長に変えてきた魂のFWは、チームのために走り、戦い、残留に向けた古巣からの点と勝利を狙う。
(岐阜担当 村本裕太)
2016/11/05 21:08