1日、鳥栖の豊田陽平が前人未到の記録への心境を語った。
鳥栖がJ1に昇格した12年から4年連続で15得点以上を挙げている豊田。今季も15得点以上を挙げれば、前人未到の領域に初めて到達する選手となる。しかし、最終節を残して現在の得点数は『12』。大記録達成にはハットトリックが必要な状況となっている。
記録が記録だけに終盤に差し掛かると周囲の喧騒も大きくなっていったが、豊田は冷静だった。「しっかりチャンスがある限り、頑張りたいというのはあるし、ダメならダメというところは割り切っているから」とサバサバとした口調で語った。今季は「記録が懸かっているのでどういうシーズンになるか楽しみだった」という気持ちでスタートした一方で、「自分と息の合っていた、アシストをほぼしてくれていた二人が抜けたことは始まるときに少し不安だった」という思いもあったと話す。水沼宏太(現・FC東京)と藤田直之(現・神戸)の移籍は得点数という部分では影響したようだ。「『やっぱりか』というところは正直、あったかなと思う」と言及した。
しかし、それでも得点のためにエゴを押し出すことはなかった。チームのためにプレーする姿は変わらなかった。「ゴールよりもまず本当にチームのためにやれる男なのだと言っておきたい」とマッシモ・フィッカデンティ監督もその姿勢を高く評価している。
「しっかり一所懸命に僕自身もチームメートも頑張ってくれているわけですから(記録に到達できなくて)そこに恨みとかそういうのはまったくないし、今季取れなくてもまた来季、頑張ればいい」。最終節、どんな結果が待つのか注目したい。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2016/11/01 20:32