19日に今季限りでの現役引退を発表したサンフレッチェ広島MF森崎浩司とともに広島で9年間プレーしたリ・ハンジェは、広島が誇るレフティーの現役引退を惜しんだ。
「現役引退を聞いてビックリしました。浩司さんはプロ入り後、広島一筋17年の中、僕はそのうちの9年間をともに広島で過ごしました。(浩司さんは)常に試合に出続けて、華やかなサッカーキャリアを積んできたと思われがちですが、広島では浩司さんやカズさん(和幸)にしか分からない苦しみを共有しました。一言では言い尽くせませんが、もう一緒にピッチで戦えない寂しさがあります」
2001年に広島朝鮮高級学校を卒業したリ・ハンジェは、すでに広島で出場機会を増やしていた“森崎ツインズ”を越えるんだという思いを抱きながらプロの門を叩いたという。しかし、実際に同じピッチに立つ中で、「なぜ、日本代表に入らないんだろう」と思えるほど、その壁は厚く、高かった。
「僕から伝える言葉があるとすれば、『僕がいまでも愛している広島をどんなときも支えてくださり、ありがとうございました』とお伝えしたいです。一緒にプレーできないという現実の中、悲しい気持ちでいっぱいですが、現役生活お疲れさまでした。兄のカズさんには、弟の浩司さんのぶんも、1年でも長く現役でプレーしてほしいという気持ちが強いです」
今季限りでスパイクを脱ぐ偉大なる先輩へ——。町田のチーム主将は感謝と労いの言葉が絶えなかった。
(町田担当 郡司聡)
2016/10/27 21:19