
今季限りでの退団が発表されたキム・ミヌへ同期が思いを語った。
2010年に韓国・延世大を中退して鳥栖に加入したキム・ミヌだが、同じ年に加入した同期には豊田陽平、早坂良太、丹羽竜平(千葉)、藤田直之(神戸)ヨ・ソンヘ、木谷公亮(鳥栖コーチ)など11年のJ1昇格の原動力となった面々がそろう。しかし、現在では移籍などもあり、鳥栖に選手として残っているのは豊田と早坂、そしてキム・ミヌの3人のみとなった。
キム・ミヌ自身も思い出を振り返りながら「そういう世界だから仕方ないけど、そう言われたら寂しい。次は自分がそうなりますね」と切ない表情を見せた。苦楽を共にしてきただけに、この同期たちの結び付きは強い。
今季、練習のランニングで豊田は常にキム・ミヌと二人で先頭に立ち、チームを引っ張ってきた。その思いについて「そこは一緒に引っ張っていけたらなと。ずっとやってきた藤田(神戸)が抜けたぶん、逆に言ったら、そういった部分を藤田に頼り過ぎていたのかなという思いもありますけど、そこを二人でうまく分担しながらやっていければと思っていた」と豊田は話す。
また、早坂も「一緒に戦ってきた戦友だし、ミヌが病気だったり、けがだったり辛い時期もあったし、チームとしてもいまほど整っていない環境のころから一緒にやってきた。自分にとってミヌの存在はデカいですよ」と思い出を振り返り、切なさを募らせていた。
しかし、豊田は「最後だからといって特別なことはできない」とこれまでどおりの姿勢を強調する。また、早坂は「自分が次、試合に出ることになれば負担を減らしてあげられるようにしたい」と話す。去りゆく同期への思いを胸にどんなプレーが生まれるのだろうか。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2016/10/25 16:11