27日から天皇杯が開幕する。ともに3回戦まで勝ち上がれば岡山は鹿島との対戦が控えており、初めての古巣戦に向けて岩政大樹のモチベーションはさぞかし高まっているだろうと思って話を聞くと、「よくみんな古巣とやりたいと言うけど、その意味が分からない」と言い、こう続けた。
「僕は自分が所属したところとは対戦したくないんです。僕が試合をするときは、負ける要素をすべて排除するために、いろんなところからアプローチしていきます。まず相手に負けたくないと思わないといけない。そうすると、自分の中で相手を完全に敵とみなすわけで、その気持ちが古巣に対して湧くことはないんです」。岩政にとって鹿島は敵とみなすことができないチームのようだ。
ただ、鹿島と対戦する岩政の姿を見たい人が大勢いることも理解しており、運命にあらがうつもりもない。「鹿島の選手たちが引退するまでに一度は対戦したいと言ってくれるし、今回の天皇杯の日程が出てすごく楽しみにしてくれている人がいるので、そういう人たちへの顔見せとしてはいい舞台なのかなという気はしますけどね。僕は今回の日程はサッカー協会が作り出した日程だと思っていて、僕と鹿島を対戦させようとしていると思う。ウチが勝ち上がっていって対戦が実現するんだったら、そのタイミングでやっておけという運命みたいなものだと思っていますし、勝ち上がらなければ勝ち上がらないで、その先なのか、二度とやることはないのか分からないけど、それもなにかの思し召しだと思っています」。
果たして、岩政と鹿島の対戦は実現するのだろうか。最後に、岩政は「実際にその場になったらどういう気持ちになるかは分からないけど」と笑っていた。
(岡山担当 寺田弘幸)
2016/08/25 07:30