8月9日、長崎の街は「原爆の日」を迎える。たった一発の兵器により、当時長崎市にいた24万人のうち、約15万人が死没。文字どおり一つの街を壊滅させてから71年。どれだけ月日が流れようと、世代が変わろうと、長崎の街にとって特別な日であることに変わりはない。チームは、7月31日のJ2第28節・町田戦と8月のホームゲームで「平和祈念ユニフォーム」を着用し、ピッチでのプレーをとおして平和への祈りを発信しようとしている。
平和祈念ユニフォームを着用するのは昨季に続いて2度目。前面は昨季と同様に長崎の平和モニュメント「平和記念像」だが、今季は背面に、世界中からすべての核兵器が廃絶されるまで灯し続けられる「ナガサキ誓いの火・灯火台」がデザインされている。被爆者の高齢化が進む中、クラブとしての平和に対する積極的な発信をしていこうという姿勢を強く反映したユニフォームだ。
昨季、平和祈念ユニフォームを着用しての試合を直前に控えた練習後、高木監督が語ってくれたことがある。
「実家の裏に高い山があるんだけど、祖母の話では、戦時中そこに防空壕があって、そこから(原爆投下のときに)キノコ雲を見えたらしい。毎年この時期になると祖母がその話をしていて・・・僕もこの時期になるとその話を思い出す」
今年も高木監督はこの話を思い出していることだろう。そして、今年も「それを着るからには、長崎にいるからには、責任をもってやらないといけない」(高木監督)という思いを強くしているに違いない。
写真:藤原裕久
(長崎担当 藤原裕久)
2016/08/08 14:36