19日に対戦する熊本にはゆかりのある選手、スタッフが多い讃岐。それもあって熊本での震災直後にはチームとしていち早く義援金活動をし、その思いの強さを見せていたが、今回はガチンコの真剣勝負。苦況からはい上がろうとしている熊本相手であろうと手心を加えるわけにはいかない。
そんな中、「(熊本への思いは)心の奥にはあるにしても、今節では一つの相手でしかない」と勝負として割り切っているのが上村健一ヘッドコーチ。上村コーチにとって熊本は生まれ故郷であり、現役としてのキャリアを終えた特別な場所。しかし、Jリーグ開幕初年度から16年間をタフに戦ってきた元“闘将”はプロとして大事なものは何より結果だということを痛感している。だからこそ情に流されることなく、「(熊本は)震災もあっていろんなものを背負っている中、自分たちは完全なヒール役になる」という覚悟を決めて勝負に挑む。
現在、讃岐はけが人が続出し、紅白戦でもメンバーが足りていない状況。コーチ陣がサブ組の代役としてプレーすることもしばしばあり、17日の練習でも上村コーチはかつての“本職”であるCBに入ってプレー。熊本・園田拓也役として今節のシミュレーションにひと役買った。体型こそ現役時代からひと回り大きくなったものの、その勇ましさは広島時代に守備の要として鳴らした当時を彷彿。勝利をつかみ取るためのヒントを主力組に与えていた。
(讃岐担当 松本隆志)
2016/06/18 13:28