“意識”を高く持つことで、ホーム初勝利に導いた岩尾憲とキム・キョンジュン。
徳島の取材現場では、常日頃から「意識」という言葉を耳にする機会は多い。ホーム初勝利を挙げた3日の水戸戦(1○0)では、岩尾とキム・キョンジュンのプレーから分かりやすくその“意識”が感じられた。
水戸戦2日前、岩尾は「自分の思考と行動と未来は常に変えられる」と言葉にした。水戸戦での得点場面は連戦の82分という足が止まりそうな苦しい時間帯だった。だが、試合前に「ボックスの中に入ってくというところも、意識すれば変わっていくと思う」と話していたとおり、足を止めずに勢いを持ってゴール前へ走り込んで決勝点を挙げた。
そして、その流れを引き寄せたのがキム・キョンジュンのワンプレー。練習からスピードを生かしてサイドをぶっちぎる場面は見られるが、ゴールへ向かう怖さという点では伸びシロがあった。それだけに、途中出場してからのファーストプレーで30m級のロングシュートを選択したことには驚かされた。長島監督の「シュート」という指示を実直に体現し、チームが向かうべきベクトルを明確に指し示した。そして、その約20秒後に生まれた得点。ショートカウンターからチーム全体が勢いを持ってゴールへと向かい、最終的にはペナルティーエリア内に5選手が入り込めていた。
他人は変えられない。だが、自分次第で物事の進むべき道は変化する。
(徳島担当 柏原敏)
2016/05/05 10:10