「非常にチャレンジングで大きな仕事になると思いますが、自分自身の力を最大限に発揮したい」と意気込んだ小倉隆史GM兼新監督
名古屋は25日、小倉隆史GM兼新監督の就任記者会見を開いた。
会見に先立ち、同席した久米一正社長、豊田章男会長(トヨタ自動車社長)がまず強調したのは、ここ2年を指揮した西野朗前監督への感謝。世代交代という非常に難しい状況の中、「チームをギリギリのところで支えてくれたことには、会長として、一サポーターとして本当に感謝しています」(豊田会長)と労った上で、GM兼監督誕生への経緯などを語った。
小倉氏に託されるのは、“チームスタイルの確立”と“結果”の両立だ。6月よりGM補佐に就任していた同氏だが、その際、クラブ幹部からは「チームのスタイルを作ってほしい」と言われていたという。
元々、クラブとしてのポテンシャルを感じていながら、結果が出ない現状をもどかしく感じていたと話す小倉氏。「(トップから育成まで)確固たるスタイルがあるクラブは強い」というビジョンを持ち、「GM補佐として中に入ったとき、チームとして目指すべき一貫したスタイルというのが、今ひとつ明確ではなかったかなと」との思いを強くしていた中、監督兼任のオファーも受け「経験がないことは重々承知していますが、自分が育ててもらったこのクラブをなんとかしたい」と決断した。
GM兼監督という立ち位置について、豊田会長は「大変な反面、最終責任者が自分一人だということは、自分の思い、自分の責任においてチャレンジができるということだと思います」と語る。天皇杯優勝、大けが、オランダ留学と、名古屋を通じてさまざまな距離感でサッカーを見てきたクラブOBに、「そういう選手がチームスタイルを新しく作るにあたり、若さや実績はあまり関係のないことで、重要なのはグランパスへの愛情が強いこと。負けず嫌いの気持ちがあり、チャレンジし続けたい信念さえあれば、私は大丈夫だと思います」と期待を寄せた。
現時点で思い描く名古屋のサッカースタイルについては、「スマートさ」、「テクニカル」、「共感」、そして「5人目」をキーワードに挙げた小倉GM兼新監督。あくまで勝利を追求することを前提に、“5人目までが連動するサッカー”を掲げ「自分が目指すスタイル、要はシンクロするような美しいサッカーだと感じてもらえる部分があったらいい」と、高いレベルをブレずに目指すことを強調した。
また、10月には渡欧。これについては「特異な期間が設けられているのは、今回だけだと思います」としており、補強ポジションなどの明言も避けたものの、自身の目指すスタイルに見合った選手の視察・獲得調査も進めている。
(名古屋担当 村本裕太)
2015/11/26 07:30