日本人としてはもちろんだが、広島県人にとって、8月6日はやはり特別な日だ。広島に原爆が投下された時刻、午前8時15分に黙とうを捧げるのが当たり前の習慣となっている広島県人の一人である渡大生も、北九州の地においても忘れずに手を合わせている。
ただし、北九州でプロ生活を始めてからは、朝の練習場所へ移動しなければならないことが多く、8時15分に黙とうすることは難しくなっており、今日もそれはかなわなかった。それでも「ここ(本城陸上競技場)に来てから手を合わせました」と言う。
感心する記者に渡は次のように語った。
「僕たち若い人間の務めでもあるんですよ」
その言葉の意味するところは、特別なことをしているという意識はないけれど、毎年、黙とう捧げ続けることは、後世に原爆の怖さや戦争の悲惨さを伝えることになる。それが僕たち若者の務めでもある、ということなのだと思う。
(北九州担当 島田徹)
2015/08/06 18:00