「松本さん、これエルゴラに書いといてよ」。北野誠監督が私にそう訴えかけてきたのは練習場のことだった。
讃岐にはチームが占有する決まった練習施設がなく、高松市を中心とした様々な練習場を転々としながらトレーニングを行っている。地方にはそういったクラブは希ではないが、讃岐は「シャワーや着替え室が使えないこともある。公園の外周でリカバーやトレーニングをする時もあった」(北野監督)と、厳しい現状だ。
今週、その練習場の“レパートリー”がひとつ増えた。善通寺市の四国学院大のサッカーグラウンドなのだが、それは真新しく、クラブハウスも完備した立派なもの。羨ましい限りのこの練習場ではあるが、選手たちの生活拠点がある高松市からは約1時間の距離とあって、手放しでは喜べない。
しかし、チームはそんな苦境にもへこたれていない。「占有の練習場があるチームとの対戦は燃える」(北野監督)と、ハングリーさに変えて戦っている。
(讃岐担当 松本隆志)
2015/03/26 18:54