去年も今年も前日練習の締めはPKで、今年のキッカーはノーゴールの呪いが解ける前日(のはず)のアドリアーノ。彼がシュパーンと決め、樋口靖洋監督が、「もうひとり蹴っとこか」と声を掛けると、ボールを持ってスポットに行くのは決まってウィリアム・エンリケ(23歳)。
最近はベンチも外れて傷心気味な10番だけど、日本人ならこういう状況で「俺が蹴る」とはまず言わない。でも、こういう状況でも蹴るメンタルは素晴らしい。で、エンリケが左に蹴ったボールを荻晃太が右に飛んで手のひらに当ててナイスセーブで、周囲はザワザワ。
エンリケは泣きなそうなくらい落ち込んだ表情をするが、チームメイトにとっては想定内で慰めながらも笑ってしまう。エンリケにとってはシリアスな問題だけど、新井涼平は「前日練習を笑ってリラックスして終えることができるので、そこは汲み取ってほしい」とエンリケを気遣いつつ、「試合では蹴らせませんけどね」、だって。
(甲府担当 マツオジュン)
2015/03/21 19:41