2日、大分スポーツクラブでJ2長崎と練習試合を実施した。ここまでメンバーをシャッフルして戦力個々の特長や戦術理解度を確認しながら進められてきたが、連戦3試合目となる今回は、さらに組み合わせを変えてポジションの左右を入れ替えるなど、多角的な見極めが行われた。
1月29日の浦和との練習試合では、力量の差はあったものの、まだ多くの選手にチャンスがあると思われたが、長崎戦では、特にビルドアップやボールキープにおいて個々のレベルの差が顕著となった。田坂和昭監督は試合後、「違うポジションや違う組み合わせで試したときに、J1レベルに達している選手と達していない選手とが見えてきた。それを踏まえ、今後は開幕戦に向けて徐々に戦力を振り分けていく」とコメント。「戦力の見極めには年齢も経験も関係ない。いま何ができるかがポイントです」と語り、今季最初のメンバーをシビアに選考する構えを見せた。
だがそれは裏を返せば、たとえ開幕先発の座はつかめなくとも、長いシーズンの中で輝くチャンスはどの選手にもあるということ。昨季の永芳卓磨のように、シーズン終盤にようやく起用されJ1昇格に貢献したケースもある。つねにフラットな視点で細やかに選手を見つめる田坂監督ならではの組織マネジメントがなせるわざだ。あきらめずに頭を使いトレーニングを積んでいくことが、チーム全員に求められる。
これは余談だが、長崎戦では、大分市に生まれ大分アカデミーで育ち今季から長崎に期限付移籍した井上裕大や、2011年に大分に在籍した幸野志有人の姿を見に訪れたサポーターも多数。二人がボールに絡むたびに歓声が上がっていた。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2013/02/04 19:02