10日、かねて監督就任が濃厚とされていました石丸清隆ユース監督のトップチーム監督就任が発表され、その会見が行われました。
石丸新監督は2005年シーズン、当時JFLだった愛媛に選手として加入し、翌年J2に昇格した2006年もスーパーサブ的な存在として活躍。その年を最後に現役を引退し、トップチームコーチを経て、2010年よりユース監督として就任しました。同年にS級コーチライセンスを取得し、「近い将来のトップチーム監督就任」の声はささやかれていました。
以下、監督会見における石丸新監督の質疑応答、全文です。
「このたび、愛媛FCの監督に就任させていただくことになりました、石丸清隆です。2005年の10月から選手として、現役引退後の2007年からは指導者としてこのチームにいさせてもらいました。これも一重に地元の皆さま、サポーターの皆さまのおかげだと思い、感謝しています。来季より監督をさせていただくにあたって、経験が浅いとか、年齢が若いとか、さまざまなことを言われると思いますが、逆にその点を強みにして、選手とともに、汗をかける監督としてチームを引っ張っていきたいと思います。そして、このチームをひとつでも多く勝利させることが皆さまへの恩返しだと思います。全力で努力していきますので、よろしくお願いします」
―(バルバリッチ)前監督から引き継ぎたいところや、改革したいところは?
「僕が言えるような立場ではないと思うのですが、守備の構築の部分では良い部分がたくさんありましたので、そういった部分は引き継いでいきたいと思います。改善したいところがあるとすれば、ボールの動かし方とフィニッシュのところ、ゴール前のアイデアなどに着手できれば、良いチームにできるのではないかと思っています」
―ユースの育成とトップチームとの連係は今後重要になってくると思うが、ユースの現場を知っている石丸新監督から見て、今後のチーム作りの考え方はどのように思っているか?
「僕もこのオファーをいただくにあたって、すごく悩みました。というのは、チームの未来を担う原動力としては、やっぱり育成、選手を育てていくことだと思っていたので、その仕事(ユース監督)にすごくやりがいを感じていたので、このオファーをもらった時は悩みました。ただ、僕がトップチームをやることによって、いままでになかったアカデミーとの連携を作り上げていきたいと考えてオファーを受けました。ユースの選手たちも戦力として考えていきたいと思いますし、常に連携を取りながら、チーム全体を見ていきたいと思っています」
―石丸新監督が見せたいサッカーは?
「ボールを大切にするパスサッカーになりますが、根底には運動量や全力で戦う気持ちが大前提にないとこのサッカーはできないと思います。まず、今季の課題である“走れる”ことから要求していきたいです」
―来季に向けて準備していることは?
「まだ昨日までユースの子供たちを見ていたので、準備というのは、これからになると思うのですが、今年のゲームを時間がある時に見たりはしています。それくらいしかまだ準備はできていないです」
―就任での意気込み、理想としているチームは?
「率直に言うと、まだトップチームの監督という実感がないというのが正直な気持ちです。ただ、大きな責任を感じていますし、全力でやるつもりです。今年はあまり時間がなくて、あまりJリーグの試合は見られていなかったのですが、S級ライセンス取得の同期の方が監督をやってまして、そこのチームはよく見たりしていました。そういう方たちとは、ライバルと言うか、刺激し合ってやっていきたいと思っています。新しい監督の中では、秋葉とかはS級の同期なんで、向こうもかなり意識はするとは思いますね」
―選手とはどういう距離感でやっていくのか?
「特に距離を置くとか、縮めるというのは意識はしないつもりです。要求することは要求しますし、選手の話も聞き入れるという形を取っていきたい」
―客観的に自分を分析すれば、どのような監督だと思うか?
「客観的に?…良い意味でも悪い意味でも、クールなのかなと思います」
―目指したい順位や数字的な目標は?
「負けて良い試合はないと思うので、一戦一戦全力で戦っていくということに尽きると思います。具体的な目標については、チームの体制が整っていないので、そこが決まり次第考えたいと思います」
―サポーターに向けてのメッセージは?
「まず選手の能力を向上させること、そして躍動感のあるサッカーを目指していきたいと思います。そのためには日々のトレーニングを大切にしていきたいですし、その戦っている姿をサポーターの方たちにも日々見てもらいながら、一緒に戦ってもらえたらうれしいと思っています」
この会見で亀井文雄社長は「ユースの監督などを経験しながらJリーグ監督に必要となるS級コーチライセンスを取ってもらっていた。タイミングが早い、遅いというのはあるが、われわれとしては計画通りに石丸君に監督になってもらった」と“石丸愛媛”が既定路線であったことを明かしました。また、佐伯GMは石丸新監督を「人間的にもしっかりしているので、そういう面は愛媛FCのカラーに合う」と評価し、「もともとボランチの選手ということもあり、視野が広く、論理的に状況を捉えて、問題をひとつひとつ順序立てて解決していくタイプ。前監督からカラーを変えて、良いものを出してもらいたい」と期待感を込めていました。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/12/10 21:50