22回目の誕生日を翌日に控えた8月6日、宮吉拓実の富山への期限付き移籍が発表された。午前練習が始まる前にチームメートへの挨拶をすませた宮吉は、ピッチ上で選手らがトレーニングに励む傍でサポーターとの記念撮影やメディアの取材に応じた後、クラブ職員らに見送られて富山へ旅立っていった。
今回の期限付き移籍は急な話だったが、それを聞いてからは「決まったのはすぐですね」(宮吉)とのこと。京都で活躍したいという思いは人一倍強かったが「富山に行くことで、また違ったものを吸収できると思う。自分自身がレベルアップできるように精一杯やりたい」(宮吉)と決断の理由を説明した。
ジュニアユース(現・京都U-15)から京都に入団。U-13日本代表を皮切りに各年代別代表に名を連ねるなど、育成型クラブを目指すクラブにとって、下部組織から育った選手の代表格といえる存在だ。高校1年生でJリーグデビューを果たしたG大阪戦で林丈統に送ったスルーパスは今でもサポーターの間で語り草になっている。「クラブには感謝している。でも、実際にトップチームで何か結果を残したかといえば、なにもできていない。そこは自分の力不足かなと思います」(宮吉)と語っている。
移籍先の富山は現在J2最下位と苦しい状況にあり、宮吉に掛かる期待は大きい。京都の至宝は、北陸の地で新たな戦いに挑む。
(京都担当 雨堤俊祐)
2014/08/07 13:14