豪快なシュートや華麗なパスだけが、見る者のハートを揺さぶるわけではない。
前節の千葉戦を0-2で落とした栃木だが、菅和範のプレーには“闘犬”らしさが見て取れ、強いインパクトを残した。62分、クリアボールを確保しようとした谷沢達也に食い付いて進撃を阻止。ただ、潰しはしたもののボールは奪えず、二人ともピッチに倒れ込んだ。普通ならばそこであきらめるところだが、菅は粘りを見せる。こぼれ球を拾った兵働昭弘がドリブルを開始しようとした瞬間、なんとけがなど顧みずに頭を投げ出したのだ。
捨て身のプレーは実らなかったが、どんな手を使ってでも1点を返す、という気迫はビシビシ伝わってきた。
「あれね、笑いが起きたのが聞こえたんですよ。でも、本当に取りたかった。実際に取れると思ったし。まだまだ背筋が弱いですね。中盤での強さが持ち味なので、次は負けないようにします!」
今節の岡山戦では、インターセプトから攻撃の一歩目になる。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/07/22 18:49