Photo: Atsushi Tokumaru
――MF 16 山口 蛍
今年3月のニュージーランド戦からここまで3試合にすべて先発。これだけ続けて起用されるのは確かな信頼を得ているからだろう。「自分が一番若いし、一番走れるからより長く使われているだけかな」と山口蛍は控えめに自己分析するが、「暑かったり、厳しい状況で90分やれるのは自分の持ち味」と加えた。ボランチは体力的に消耗しやすいが、戦術面では変化より安定が求められるポジションだ。過密日程、長い距離の移動、高温多湿というブラジルの環境で高いアベレージのパフォーマンスを期待できるとアルベルト・ザッケローニ監督が評価しているなら、本番まで迫った段階でこれだけ重用されるのも当然だ。
光るのは攻守に渡る柔軟なポジショニングだ。前半は青山敏弘、後半は遠藤保仁とバランスを取りながら、危険になりそうな場所に素早く回り込んだ。セカンドボールに対しても反応は鋭く、ボールを奪えばシンプルに縦に付けるか、横に流すか、後ろに戻すか柔軟に選択していた。「どの選手とやってもそこまで悪くもない。ある程度できるという自信になった」と語る。
カウンターやクロスの対応などで課題はあったが、試合の中での修正力の高さも強みだ。「やっぱりボランチはチームの軸となれる役回りだと思うので、そこでしっかりとチームをコントロールするのは大事」と山口。継続性を忘れずに積み上げていけば、ブラジルで本当の意味での軸になる可能性は高そうだ。(河治 良幸)
(BLOGOLA編集部)
2014/06/06 12:33