前節、J2残留争いの渦中にいる鳥取をホームに迎えた愛媛でしたが、愛媛にとっても残留争いは蚊帳の外の話ではありませんでした。数字上その可能性が残されている以上、同じ残留争いをする者同士の強い危機感を持った試合になってほしかったのですが、内容的には消化不良気味だったと言わざるを得ませんでした。試合後の選手の表情は対照的でした。まるで敗者のように反省の弁を繰り返した愛媛選手に比べ、鳥取の選手は「勝点1取れたことを悲観するのではなく、これで良しとして次の試合に向かっていきたい」(小井手選手)と前向きでした。鳥取は前週の水曜日に天皇杯で120分を戦って中3日の日程だったことに加え、3戦連続のアウェイ戦ということを考えると、悲観する試合ではなかったのでしょう。それに対して愛媛は満を持して迎え撃つ時間がありながら、時間がたつにつれて攻め手を欠いただけでなく、運動量も格段に落ちて相手に主導権を渡してしまいました。
愛媛は35節の岡山戦で14試合ぶりの勝利を収め、復調の兆しを見せてからは3試合連続ドロー。言い方を変えれば4戦負けなしですが、次節に勝点3が得られなければ、また○戦連続未勝利と言われる状況に突入するでしょう。次節の対戦相手は最下位の町田。相手がどれほどまでに大きな覚悟を持って臨むかは容易に想像できます。愛媛が心理的な余裕を持ってプレーするには前節で得た勝点1は非常に小さなものだったのではないでしょうか。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/10/18 16:38