迫力の大歓声でした。第32節甲府戦は、昨季第20節・FC東京戦に続く二度目の3万人動員プロジェクト。スタッフやボランティアやたくさんのサポーターが時間をかけて準備して、社長や監督や選手たちも練習の合間を縫って街頭でチラシを配り、結果は入場者数2万3617人と3万人に届かなかったけれど、それでもひさびさの2万人超え。89分に三平和司選手が同点ゴールを挙げた瞬間、爆発的な歓喜に大銀ドームが揺れました。
圧巻だった執念のゴール。チェジョンハン選手が頭で落としたボールに反応した三平選手が、長身の盛田剛平選手をシャペウでかわし、荻晃太選手の動きを確認しながら頭で押し込みました。ハンパない集中力でした。
試合後のミックスゾーンで会うと、三平選手だけでなく、どの選手も、頬がこけていたり一回り細くなったように見えたりして、彼らの90分がいかに迫真であったかが感じられます。「多くの人たちの支援に応えて何が何でも昇格しなくてはならない」というプレッシャーを「昇格したい」という希求に換え、「絶対に昇格するのだ」という意志をもって一戦に臨む。その凄絶さはまさに戦い。
加入後、初先発のフェルナンジーニョ選手とダントツJ2得点王のダヴィ選手のコンビネーションには完全に力負けして5位へと順位を落としましたが、この日得た手応えは今後の希望へとつながるはず。開幕前から辛抱強くチームコンセプトに基づいたトレーニングを続け、なかなか攻撃のかたちが作れず苦しんだ時期もありましたが、この試合で見せたいくつかの場面では、日々の成果が着実に浸透していることが見て取れました。森島康仁選手を軸にした攻撃がここに来て成果を出しはじめたことは大きな希望。残り10試合、上位との対決を制して絶対に自動昇格を勝ち取ってほしいと思います。この試合のようにひたむきで誠実なプレーを続けていれば、必ず実ると信じたい。昇格を決めるまで、いい緊張感をもって、前向きな雰囲気で、みんなでチームを後押ししていきましょう。
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(大分担当 ひぐらしひなつ)
2012/09/05 15:41