鳥栖に落胆の色はなかった。勝てなかったので鳥栖にとって「いいゲーム」とは言えない。しかし、悪かったわけではない。キャプテン・藤田選手のロングスローをはじめ、セットプレーから確実にチャンスへとつなげた。ただ、この日は運もなく、いつも自分たちが決めているセットプレーを相手に決められて、清水に勝ちを譲った。
ただ、鳥栖の選手たちは意外にもサバサバした表情。もちろん、負けたことは悔しいはず。しかし、長いリーグ戦ではチャンスを決められず、逆に相手に決められて負けることはいくつかある。そういう意味では、鳥栖の選手たちはすでに気持ちを切り替えていた。藤田選手が話したように、「次で連敗しない」ことが大事。
逆に清水のセットプレーは鳥栖を研究し、工夫されていた。FKでは鳥栖のゾーンディフェンスを崩すために、パスでワンクッションを入れてからクロスを上げた。また、CKでは高さのある鳥栖に対して、ニアで合わせてきた。村松選手のゴールはCKから直接決まったが、こうしたセットプレーのアイデアが布石となって決まったように思う。ユン・ジョンファン監督が「相手もわれわれに対してしっかりと準備をしてきた」と話したように、鳥栖は研究されていた。
リーグ戦も2周り目に突入し、相手からは研究されている。J1残留はもちろん、目標の10位以内を達成するためにも、鳥栖には今のサッカーにプラスして、相手の対策の上を行く武器が必要になってくる。
(鳥栖担当 荒木英喜)
2012/08/21 15:32