16日、浦和の中村修三GMを父にもつFW中村祐人が“フル代表デビュー”を果たした。同日、埼玉スタジアムでウルグアイを撃破した日本代表、ではなく、香港代表として、だ。
中村祐人は1987年1月23日生まれの現在31歳。浦和の育成組織から西武台高、青山学院大を経て香港1部リーグのチームに加入。その後はMF中島翔哉が現在所属するポルトガルのポルティモネンセでのプレーを経験して、10-11シーズンから再び香港でのプレーを続けている。そしてこのたび、中国の国籍を取得し、香港代表に選出。16日の親善試合・インドネシア戦にボランチとして先発出場を果たした。
背番号8を背負ってチームの舵取りを任せられた中村は、90分までプレー。1-1のドローという結果となった試合で、配球役として、また守備ではバイタルエリアをしっかりカバーするなど、チームに貢献した。
中村GMは13日、「もちろん相談を受けていた。相当な覚悟をもっていた」と国籍を変えて香港代表としてプレーする実息の思いについて語った。
中村祐人は、今季から傑志でプレーしている(3試合出場1得点)。18年はACL本戦に進出して柏とも対戦した傑志は、現在3試合を終えた国内リーグでは7位に沈む。ただ今後の結果いかんでは、ACL出場の可能性がある。仮に浦和もACL出場を決めれば、かつて育った、そして父がGMを務めるクラブと対戦することもあるかもしれない。それに、香港代表として日本代表と対する日だって夢ではない。その強い覚悟の先に、何が待つか。
写真:田中直希
(浦和担当 田中直希)
2018/10/17 17:37