神戸の監督に就任したフアン・マヌエル・リージョ新監督が、29日の今節・鹿島戦でコーチとしてベンチ入りすると発表された。監督ライセンスの手続き上の問題とのことで、就労ビザの問題でベンチ入りできなかった23日の浦和戦から“一歩前進”とも言える。
ただし監督の仕事はベンチで采配を振るうことだけではない。塗装業界でも“養生8割・塗り2割”と言われるように、いい仕事をするには始まる前の準備が大部分を占めるもの。日ごろの指導自体はリージョ監督が行なっているはずで、鹿島戦はその浸透度合いが測れる試合となるだろう。
東京Vを率いるロティーナ監督もその試合を楽しみにしている一人だ。リージョ監督と同じスペインのバスク地方出身で、「一緒のチームで仕事したことはないが、対戦したことは何回もある。勝ったり負けたりですね(笑)」と懐かしそうに語った。「彼はとても偉大な監督です」と評価し、「われわれに似たサッカーにかけている。ポジションを重視しながらポゼッションを保って攻撃し、切り替えの局面では素早くプレッシャーをかけにいく。いまビッグクラブが取り入れているようなやり方を志向する監督です」とそのスタイルを語った。
「人柄もいいし、日本の文化にもすんなり適応すると思う」とロティーナ監督も太鼓判を押すリージョ監督。バスク人は実直で働き者と言われ、そこも日本に合うのかもしれない。ただ、ロティーナ監督もいまのところここ2年でチーム唯一の“退場者”になっているように、ベンチでは時に激しい。采配とともに、コーチングエリアでの動きにも注目したい。
(東京V担当 芥川和久)
2018/09/29 11:22