23日に行われた明治安田J2第34節で、新潟は水戸を1-0で下し、今季初の3連勝。アウェイで勝点3を積み上げ、17位へと一つ順位を上げた。
この試合は、U-21日本代表としてアジア大会から銀メダルを持ち帰って以降、左腿の違和感で離脱していた原輝綺の復帰戦となった。82分、足をつった渡邊泰基と交代し、今季初の左SBに入った。「練習はしていなかったけど、無理に攻め上がらず、失点ゼロで抑えるように言われて入りました」(原)。
本職はボランチだが、CBや右SB、U-21では主に3バックの右を務める守備のポリバレント。左SBは、昨季5月5日のJ1第10節・川崎戦以来だ。片渕浩一郎監督は「1-0で守備を安定させたいところで、高さも含めて投入した。相手がパワープレーをしてきても、輝綺であればいろいろなポジションをカバーできる。彼をバックアップに置いたことが、吉と出た。本当に助かった」とその奮闘をたたえた。
アクシデントをものともしなかった。ピッチに立った3分後、競り合った際に相手のスパイクが入り、額を8針縫う裂傷を負った。「足が見えたので、顔を切るなと思ったけど、よけたらダサいので突っ込みました。オフに神社で『ケガをしないように』とお参りしたから、大丈夫かなと思ったんですけど(苦笑)」。出血したが、頭にテーピングを施してすぐにピッチへ。ワンプレー目で飛んできた浮き球をヘディングでしっかりクリアすると、その後も冷静なプレーで完封勝利に貢献。原自身、J2では第24節・山形戦以来、10試合ぶりの勝利を味わい、駆け付けた2,700人の新潟サポーターとバンザイで喜びを分かち合った。
アジア大会直前の第28節・栃木戦は、23試合ぶりに起用されたボランチで、攻守に生き生きとプレーした。「自分が出れば、もっとやれるということを示さないと。ボランチなら一発で背後を狙えるところ。代表では最後のパスの出し手になることが多かったので、その経験を生かせる」。残り8試合に、アジアの舞台から持ち帰った自信と経験を反映し、上昇気流に乗るチームに追い風を吹かせるつもりだ。
(新潟担当 野本桂子)
2018/09/24 15:31