杉岡大暉のU-21日本代表招集による離脱、高橋諒や大野和成の負傷など、8月は左サイドの人選に苦労した湘南。そんな中、ここ2試合で確かな結果を残したのが石原広教だ。
とはいえ、今年の戦いはまだまだ満足いくものではないだろう。5月2日の第12節ホーム柏戦でJ1初出場を果たすも、チームメートの試合直前のアクシデントによる突然の出場で、結果は石原のサイドを破られて喫した失点も含む1-2の敗戦。以降はルヴァンカップがメインステージとなり、第24節のFC東京戦が11試合ぶりのスタメンだった。
柏戦終了後、下を向く19歳に声をかけたのが梅崎司だ。「今日は落ち込むだけ落ち込んで忘れるな。でも明日からは切り替えて次に向かっていこう」と話したという。その1週間後、5月9日のルヴァンカップ第5節・神戸戦で、梅崎の移籍後初ゴールを生んだのが、石原の右からのクロスだった。
石原は梅崎を兄のように慕い、練習中も梅崎の動きを観察。普段からお互いにどこでボールを欲しいか、あるいは出せるか、関係性を密に話し合っているという。先日の長崎戦で生まれた梅崎のリーグ戦初ゴールのアシストも石原だったのは、偶然ではないだろう。試合後にも会話を交わしたようで、照れ笑いを浮かべながらその様子をうれしそうに話していた。
憧れの選手を問われると「長友佑都」と答えた石原。シーズン終盤に向けて、そしてその先のさらに大きな目標へ、彼の成長を期待したい。
(湘南担当 中村僚)
2018/09/05 10:04