FC東京からの期限付き移籍で福岡に加わったDF吉本一謙。移籍登録が認められるのは7月20日からなので、それまでは福岡の一員として試合に出場することはできないが24日のトレーニングから合流している。
合流してからの短時間ですっかり溶け込んだ吉本。FC東京で選手会長を務めていた吉本自身にオープンマインドが備わっていること以外にもその理由はあるようで…。
「チームには同じくらいの年齢(吉本は88年4月24日生まれの30歳)の選手が多いので話しやすいし、“前から知っている人間”も多いので助かっている。GK圍謙太朗や(ユ・)インスはFC東京のチームメートだったし、輪湖直樹は(期限付き移籍でプレーした)水戸で一緒に戦ったし、モリ(森本貴幸)は(FC東京と東京Vのアカデミー所属同士で)小さいころからのライバルだった。意外に知り合いが多いので、あっという間に馴染んじゃいましたね」
長く過ごしてきたクラブを離れての新たなチャンレジを「一つ下のカテゴリーでのプレーになるが、J2優勝とJ1昇格という目標の達成は簡単ではなく、やりがいのあるミッション。それに向けて貢献することで自分もきっと成長できると思った」と考える吉本は、試合に出られるようになるまでの約1カ月という期間も、また前向きに捉えている。
「早く試合には出たい。でも、この1カ月を、チームのやり方やチームメートの特徴を知ったり、逆に僕の特徴をみんなに知ってもらったりするための時間として有効に使いたい。そして自分の子どもがまだ小さく離れて暮らすことは考えられないので、家族を呼び寄せるための家探しの時間も必要。そういう意味でいい戦いをするためのいい準備ができる貴重な時間になる」
井原正巳監督が「高さと強さがあるDFであり、常にチームにプラスの影響を与えてくれる選手」と言うその期待に応えるべく、備えに余念のない吉本が、楽しみにしているのが福岡の食でもある。
「福岡のご飯はおいしいと聞いています。たくさんおいしいものを食べて、体の中から福岡の人間になります!」
そう言って大きく笑うその顔には決意と覚悟も見てとれた。
写真:島田徹
(福岡担当 島田徹)
2018/06/28 17:29