18日、帰国中の酒井高徳が、古巣・新潟のクラブハウスでチーム練習に参加した。自身がプレーするブンデスリーガはシーズンを終えたが、日本代表での活動も視野に入れてコンディションを維持するため、新潟ユース時代の恩師である片渕浩一郎現ヘッドコーチを通じてクラブへ依頼し、練習参加が実現した。
11年末からドイツでプレーするようになって以降、クラブハウスへ体を動かしにきてはいたが、チーム練習に加わるのは初めてのこと。「うれしいし、ドキドキした。知らない選手ばかりになったけど、アルビの雰囲気はこういう感じだったなって。隣のピッチでユースも練習していて、懐かしいです」と心をはずませながら、約1時間のメニューをフルでこなした。
ビルドアップ練習では、左右のSBの位置に入り、ユースの後輩である川口尚紀や長谷川巧、渡邊泰基らと話す場面も見られた。新潟から世界へ羽ばたいた酒井は、彼らをはじめ、新潟の下部組織の選手たちにとって憧れであり目標だ。
だが酒井は「“憧れ”って言われるのは……『オイ、超えてくれ!』って思う。そんなに高い壁じゃないので」と言う。「身近なところで、同じことをやってきているから、ちょっとした意識の違いだけ。自分は特別なことはしていなかったけれど、人より多く練習をやっていたし、常にうまくなりたいという気持ちだけは誰にも負けなかった。そこは自分次第。ダニエウ・アウベスやマルセロになるのは大変だけど(笑)、俺のところは意識の変化でこられるくらいの立場」と、あくまで“身近な存在”として、飛躍するためのヒントを語った。
「見せられるものは限られるけれど、質問には答えたいし、気づいたことは伝えたい。目線やプレーを見て何か気づいてくれたり、刺激を得てくれたりしたらうれしい」と、この3日間で示せるものもあると感じている。
初めて会った原輝綺も「同じポジションだし、自然と話ができた。見ていて技術が高いしクロスもうまい。盗めるところは盗みたい。明日も一緒にやれるのでいろいろ話したい」と早速、刺激を受けていた。
また同日には、ロシアW杯に向けた、サッカー日本代表のガーナ戦(30日)のメンバー27名が発表され、酒井も選出された。酒井は「前回は新潟県民として初めて日本代表メンバーに入ったが、(ブラジルW杯に)出場はできなかった。今回は選ばれたら、日本の力になれるよう、出場を目標にしたい」と意欲を示している。
写真:野本桂子
(新潟担当 野本桂子)
2018/05/19 10:56