29日、栃木SCへのレンタル移籍が発表された二川孝広が30日、東京Vクラブハウスで囲み取材に応じた。
移籍に関しては昨季オフに入ってから「クラブとも『そうしたほうがいいんじゃないか』ということで話をしていた」といい、開幕も過ぎて具体的に声がかかったのが栃木からだったという。当時の栃木は開幕から連敗中だったが、「大丈夫かな?というのはあったけど、チャンスがあるなら行こうと。いまの移籍市場を見ても、なかなか決まってない選手もいる中で、ありがたいこと」と、決断の理由を語った。
栃木は開幕前、大黒への配球役として期待していた新加入の寺田紳一が、アキレス腱断裂で長期離脱を余儀なくされていた。そこへ大黒とはユース時代からコンビを組みG大阪の黄金期を支えた、願ってもないファンタジスタが加入したことになる。
シャイで無口なことで知られ、モットーは「ひっそりこっそり」。今まで結婚も子供の誕生もチームメートには黙っていて、その都度周りを驚かせてきたファンタジスタである。もちろん移籍については、「ハシ(橋本)にはどこかから情報が漏れてたみたいだけど(笑)」、誰にも言わなかったという。チームメートが知ったのは昨日の公式発表前のこと。「みんなビックリしてましたよ」と、いたずらっぽく笑みを浮かべた。
ロティーナ監督は二川について、「素晴らしいキャリアを持った選手だが、彼に出場機会を与えることができなかった。それでも常に笑顔で、高い姿勢でトレーニングに臨んでくれていた。プロフェッショナルとしての素晴らしい姿勢など、彼がもたらしてくれたものすべてに感謝したい」と謝辞を述べ、「出場機会を得るために、彼は良い決断をしたと思う。フタ(二川)の幸運を祈りたい」と結んだ。
(東京V担当 芥川和久)
2018/03/31 06:30