3日に行われたJ3リーグ最終節で見事な逆転優勝を成し遂げた秋田の輝かしい功績に愛媛・間瀬秀一監督は「ものすごくうれしい」と声をはずませた。
間瀬監督は15年から2季にわたって秋田で指揮を執っていたこともあり、チームを離れた今季のその教え子たちの活躍と成長を注視。優勝を決めた一戦も、「もちろん見ていましたよ」とライブタイムで中継観戦していた。
秋田が逆転優勝するためには、秋田が自力で勝利することに加えて、同時刻で行われていた沼津vs栃木の対戦がドローに終わることが絶対条件。他力に頼る部分があったが、間瀬監督は「他力というよりは、人間が運をコントロールできるかできないのかというのが大きなテーマでした」と、それがある種必然的に引き寄せたものだったと独特の観点で分析。
「運をコントロールするためには多くのことや目に見えないものがあって、そこをいかに大事にするかで勝負を決めることができる。そういう意味では、それをうまくコントロールして優勝した秋田はすごいと思います」
逆転優勝を讃えるとともに、自身が秋田での2年間で構築してきたチームのベースについても目を細める。「(秋田で)2年間指揮を執らせていただきましたが、いつかチームを離れる日が来ても、自分がいなくなっても勝ち続けられるチームになるようにと指揮を執っていた」。そう前置きした上で、まずその脳裏に思い浮かんだのが、間瀬監督の師匠的存在である元日本代表監督のイビチャ・オシム氏。
「オシムさんはあまりにも能力が高かったがために、オシムさんがチームを去ったあとにチームの勢いがなくなるというのを、私は千葉で実感していました。おこがましいですけど、自分はその部分でオシムさんを越えたいと思っていて、自分がいなくなったチームが勝ち続けることも目指していました。それを今季の秋田が体現してくれたことをうれしく思います」
加えて感謝の意は、現・秋田指揮官の杉山弘一監督に向けても。「秋田が大事にするべきものを私が残せていたとしたら、それをうまく引き継ぎ、さらに進化させてくれた杉山監督に、ものすごく大きな賞賛を送りたいと思っています」。
その快挙は秋田としてはもちろんのこと、間瀬監督にとっても大きな“誉れ”と言えるものになったようだ。
写真:松本隆志
(愛媛担当 松本隆志)
2017/12/05 07:00