前節・東京V戦はチームとして4試合ぶりのゴールが生まれたとはいえ、相手選手がフィニッシャーとなったオウンゴール。山形の選手が得点者に名前を刻むことは、またもお預けとなった。立ち上がりから30分ほどは敵陣に押し込みながらシュートまで行き切れないシーンが目立ち、得点力不足が続いている。
もっとも最近の得点者は、第32節・京都戦の前半終了間際、山田拓巳のクロスをニアで合わせた阪野豊史。前節終了間際には、やはり山田のクロスから相手の背後を取る形でヘディングを放ったが、キーパーの正面を突きゴールはならなかった。阪野は「個人的には、もう少しクロスがあったら助かるかなあと思うんですけど、そこはもっと自分の得意な形が出せるようにチームメートに要求したい」と話し、「苦手なことを練習するのも大事だけど、強いところをいっぱい出せればそれが一番相手の脅威になると思うから、ペナの中でよりボールを受けて得点につながる形を作れたらいいかなと思います」と、いかにゴールに近い位置でプレーできるかを模索中だ。
山形は9試合未勝利が続いている。1試合でも早く、この状態を脱したいと誰もが思うところだが、阪野は言う。
「流れが悪いからマイナスな考えが多くなるのも普通だと思うけど、でも焦ってもうまくいくものでもないので、ゆっくり、しっかりやって結果に結びつけばと思います」
のんびりしているように聞こえるかもしれない。しかし、愛媛でプレーした昨シーズンも終盤に8試合で8ゴールを記録する経験をしている。チーム全体が噛み合えば、自分のシュートチャンスもゴールも増やせるとの確信がある。
「勝ってるときに比べたら練習の雰囲気も重くなるし、自分も点取ってないからノッてるときに比べたらいいイメージは湧きづらい。でも家に帰ったときには前向きにやってこうと思うし、試合のときはそういう気持ちを作ってちゃんと試合に行くようにしています」
次こそ現状を打破するため、阪野は勝つ気持ち満タンでピッチに立つ。
(山形担当 佐藤円)
2017/10/14 07:08