4日に元陸上選手の為末大氏から講義を受けた長崎の選手たち。受講した人たちはそれぞれで感じ取ったことも違ったようだった。
高木琢也監督は「すぐに生かすことは難しいでしょう」と切り出した。その理由については「為末さんも言ってましたけど、陸上は絶対に穴ぼこはない。ヨーイドンも決まっているし、ゴールも決まっている。理論はすべて分かりますけど、すべての理論がすべてのスポーツに符合するわけではない」とその競技性の違いの大きさがあるようだ。しかしながら、「走るということがそういうことなのかと考えるのはおもしろかった」と中身については興味深い点も多かった様子だった。
幸野志有人は「速く走れたらそれに越したことはないのでいろいろ学びたいところはあります」と振り返った。しかしながら、「たぶん為末さんとかもまだ探り、探りのところだと思うし、サッカーにそれをつなげられるかなっていうのは確信は得ていないような感じでは言っていたので、これからじゃないですか」と冷静にコメント。「俺、走る姿勢はキレイみたいですけど逆に言うと伸びシロないんじゃないですか(笑)」と自虐を混ぜながら自身の伸びシロを危惧していた。
今回、一番興味深そうに振り返っていたのは島田譲だ。早稲田大学スポーツ科学部スポーツ文化学科卒業という経歴が示すように「僕、結構、ああいう体の仕組みとか好きで本とかも読むんですよ。分かっていることも多かった」とすでに一定の知識を備えていたと話す。それでも「やっぱり為末さんに言われるのと本で読むのとでは違う」と世界の第一線で戦ってきたアスリートからの金言は島田にとって大きな刺激になったようだ。
「1カ月後、見といてください。めちゃくちゃ足が速くなっているかもしれませんよ。ウイングバックのポジション、目指そうかな」。最後はそう締めた島田。為末の言葉が島田をどう変えていくのか注目したい。
(長崎担当 杉山文宣)
2017/10/05 18:16