8月31日、日本代表はロシアW杯アジア最終予選の豪州戦に2-0で勝利し、見事、6大会連続6回目となるW杯本大会出場の切符を手にした。
最終予選の初戦であるUAE戦に1-2で敗れて厳しい状況からスタートした今回の最終予選は、逆境の連続でもあった。それだけに、昨日は日本サッカー界全体としてホッと胸をなでおろすと同時に、未来へ向けて希望が広がる喜ばしい一日になったと言えるだろう。
そして、今回の突破に貢献した選手の一人が、現在はけがからの復帰に向けてC大阪でトレーニングに励んでいる清武弘嗣であることは紛れもない事実。特に、[4-2-3-1]のトップ下で先発した第5戦のサウジアラビア戦では、重圧のかかる先制PKを決めて勝利に貢献するなど、追い込まれた“ハリルジャパン”を救う活躍も見せた。
W杯出場決定から一夜明けた9月1日、C大阪の練習場にて清武は、「良かったです、本当に。みんなの勝ちたい気持ちが伝わってきた試合でした。テレビで見ていても、国民の皆さんが感じたことと同じように、感動するゲームでした。(山口)蛍も『タフ(な試合)だった』って言っていましたね」と仲間たちの戦いぶりを称えた。
「ああいう場面にいられなかったことは一人のサッカー選手としてはすごく悔しい思いもあります」と偽らざる心境も明かした上で、「昨日、勝ってW杯出場を決めたことで、また全員の選手にチャンスはある。昨日、ハセさん(長谷部誠)も言っていたように、また競争が始まる。今までを振り返っても、ロンドン五輪の時も、ブラジルW杯の時も、どの選手が入るか分からなかった。またここからがスタートだと思います」と前向きな思いとともに、新たな競争に挑む決意を示した。
ボール支配を高めて主導権を握るサッカー、昨日のように、相手に合わせて堅い守備から素早く攻撃に移るサッカー、そのどちらにも対応し得る清武の存在は、W杯本大会を戦う上で戦術の幅を広げることにもつながり、必ずや必要なピースになるだろう。まずは焦らず、熱い気持ちは胸に秘め、復帰に向けたリハビリに取り組む。
(C大阪担当 小田尚史)
2017/09/01 15:30