J1・J2通算650試合出場を超える偉大なるGKの実力を、身をもって知る者が町田にはいる。
例えば、流通経済大学柏高校から名古屋入りした吉田眞紀人は、名古屋での日々のトレーニングの中で、楢崎正剛の凄みを実感してきたという。
「ナラさんはほかのGKと比べてもレベルが違いました。自分が『入ったな』と思ったシュートでも止められてしまうことが多かったです。偉大なGKだと思います」
そして名古屋の下部組織で育ってきた奥山政幸は、名古屋U18在籍時代にトップチームとトレーニングマッチで対戦した際に、楢崎の凄みを知った。
「CKのこぼれ球を詰めたら、ポンとはじかれていました。至近距離の入ったなと思ったシュートでも止められてしまいまったんです。単純にすごいなと思いました」
今節、町田はホーム町田市立陸上競技場に初めて、“ビッグクラブ”名古屋を迎え撃つ。前節の大分戦で奥山は平戸太貴のクロスを流し込み、相手のオウンゴールを誘発。「お前のゴールだったよね」とチームメートに称賛されても、公式記録はオウンゴールで変わることはなかった。
「次は正真正銘のゴールを決めたいですね」と奥山。迎える今節、仮にそのゴールを4大会連続でW杯日本代表メンバーに選出されてきた、日本が誇る偉大なるGKから奪えたとしたら−−。それは、「名古屋に育ててもらった」奥山にとって、この上ない勲章となるだろう。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
(町田担当 郡司聡)
2017/08/15 18:10