千葉は来季に向け、着々と強化を進めている。
9日には育成組織出身のDF鳥海晃司(明治大)の加入を発表。それに先立ち、4月28日には高体連に限れば、今季Jクラブ内定者1号としてMF本田功輝(香川西高)の獲得も決まっており、迅速なスカウト活動が際立つ。
クラブの強化方針について、スカウト陣がメリットとして強調するのがプロ入りまでの準備期間。「プロに入って、いかに最初のタイミングでチャンスをつかむのかが大事。そこをいかにサポートするかも含めて、メリットがある」と稲垣雄也スカウト。この言葉を補足するのが斎藤大輔スカウトだ。「合流して時間がかかってしまうことは本人にもクラブにとってもマイナス」。入団までの約8カ月間、メンタル、フィジカル両面においてプロの心得を意識することで、スムーズに1年目に突入できるというのだ。
鳥海の獲得については、もう一つのメッセージの発信にもなるという。千葉は今後10年間でトップチームの育成組織出身者が占める割合を約半数にする高い目標を掲げている。斎藤スカウトは「プロに値する成長を見せてくれたのが一番」と前置きした上で、「大学に行っても、(強化担当が)追っていることも分かるし、現アカデミーの選手にもポジティブなニュース」と言葉に力を込める。
二人の評について、鳥海は「ユース(千葉U-18)ではボランチもプレーしていて、CB、SBとしてもユーティリティーにプレーできる」(斎藤スカウト)、本田は「ドリブルで打開できるのが特長。視野が狭かったりする選手が多い中、彼の場合は技術レベルも非常にしっかりしている」(稲垣スカウト)。彼らがどう成長し、来季、フクアリで活躍してくれるのか。いまから待ち遠しい。
(千葉担当 大林洋平)
2017/05/11 19:43