選手たちが全力で躍動する練習場で今日もスーツ姿の男が慌ただしく駆け回る。今季よりクラブの広報を務める田村光平広報は選手に負けず劣らずの働き者だ。
この小規模クラブの広報担当の仕事はまさに激務。加えて、愛媛の練習場は事務局から距離が離れているため、これまでの担当は練習場になかなか足を運ぶことができなかった。しかし、この新任広報は週2、3回のペースで練習場に姿を見せる。そして、メディアなどへの対応をするだけでなく、ピッチをも注視している。
最も注意深く耳を傾けているのが間瀬秀一監督の言葉だ。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏を師とする指揮官の言葉は格言めいた重みを持つ哲学的なものばかり。田村広報はそんな“金言”を聞き逃すまいとしっかり耳を立て、時にはピッチ内にも突撃してこまめにメモを取る。そして、それら指揮官の興味深い言葉の数々はクラブのfacebookページで『間瀬語録』としてアップ。ファン、サポーターに向けて、よりチームのことに興味をもってもらおうと奮闘しているのだ。
ただ、激務の中で練習場に出向くため、「現場に来るぶん、事務局に帰ったあとの事務作業は大変です」と苦笑い。それでも「こうして(練習場に来て)やっていることが仕事として認められるなら絶対に来たほうが良いと思って」とハツラツとした笑顔で答える。
ここにも新生・愛媛の前へ進もうとする力があった。
写真:松本隆志
(愛媛担当 松本隆志)
2017/03/08 19:32