J2参入から今季で4年目。これまで讃岐が目指してきたポジションは正直なところJ2残留だ。しかし、北野誠監督は「(今季は)6位以内を目指す。昨季を考えれば倍以上やらなあかん。選手は3倍働いて、スタッフは10倍やってくれ。オレはそれ以上に働くから」と練習始動日に全選手、スタッフ、フロント陣へ語気を強めて伝えた。
この目標について「普通にやったら絶対に無理な話。突然明日から強くなるわけではない」、「笑う人もいるでしょうね」と話した北野監督。しかし、その目は本気だった。サッカーの面白さ、Jクラブの誇りなど、さまざまな思いを持って香川県に尽力してきた。だが、クラブとしてはいまだJ1ライセンスもない。ということは、6位(J1昇格プレーオフ圏内)を目指すというメッセージはチームもクラブも全力を尽くすという表明でもあった。
筆者の個人的な思いだが、このクラブは絶対に目標へ向かって進んでくれると信じている。そう信じられるのは、あるできごとがあったから。昨季、練習を見に来ていた強化部長の小川徹氏との雑談で胸を熱くさせられた。「私はいい歳だ。本当なら、もっとラクをしたい。でも、あんなに北野が頑張っているんだ。男にしてやりたい」。それを聞いて、裏方にこんな熱意をもった人がいるなら、少しくらいのハードルは何てことないと思えた。
シーズン始動日のミーティングには選手だけでなく、多数のメディアも招かれた。それは、いろいろな意味を込めて「報道してくれ」という意味だったと捉えている。
(讃岐担当 柏原敏)
2017/01/17 09:01