FC東京が、来季J2に降格する名古屋のFW永井謙佑を獲得することが確実となった。早ければ今週中にも両クラブ間で合意に至る見込みだ。
また、鳥栖からGK林彰洋を獲得すること、さらにはカタールのアルサッドから期限付き移籍でプレーしていたFWムリキの来季残留も決定的になった。
日本を代表するスピードスターが、青赤のユニフォームに袖を通す決心を下した。すでに永井はFC東京のクラブ関係者と篠田善之監督と直接会い、あらためてラブコールを受けた。福岡大時代の10年に特別指定選手として福岡でプレーした際、監督を務めていたのが篠田監督。新天地ではFWでのプレーを強く臨む永井に対して、FC東京側も前線での起用が最優先であることを伝えた模様だ。ここ数年はサイド起用ばかりが続くなど、本人もストレスを感じながらのプレーが多かっただけに、気持ちよくゴールへと向かえる環境となる。また、来季は川崎FからFW大久保嘉人も加入することになるが、高いレベルでの競争を永井本人もポジティブに捉えているという。
田中マルクス闘莉王など多くの主力を放出している名古屋は、永井との契約を来年夏まで残している。名古屋は今回の契約交渉で永井に半年延長というオファーを提示。永井にとっては実質来季1年のみのプレーを言い渡されたのだった。11年に新卒で加入し、13年には半年間ベルギーへ移籍したが、クラブに帰還後も攻撃陣の代表格としてプレーしてきた。永井はJ2降格への責任を感じており、条件次第では名古屋残留も考えていたようだが、結局クラブとの条件は折り合わなかったという。
12年ロンドン五輪では日本のエースとしてベスト4進出に貢献。その後も日本代表には選出されたが、ここ最近はハリルジャパンから選外となっている。浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)など新たなスピードプレーヤーも台頭しているが、50mを5秒8で走る切るスピードは今でも日本屈指。爆発的な速さと冷静なシュートを武器にする永井は来季、青赤の飛躍とロシアW杯に向けた代表復帰を目指し、勝負に出る。
(FC東京担当 西川結城)
2016/12/05 04:00