コロンビア・メデジン近郊の山岳地帯にチャーター機が墜落した痛ましい事故で亡くなったケンペス。2013年当時、ジェフユナイテッド千葉の強化部に席を置いていた唐井直GMは、セレッソ大阪からのケンペス移籍に尽力した一人である。「ピッチ外では良きパパ、ピッチ内では誰よりもチームのために戦う選手でした」と唐井GM。ケンペスは千葉加入初年度には22得点を叩き出し、得点王を獲得するなど、千葉のJ1昇格こそ叶わなかったが、貴重な戦力としてゴールを量産した。
今季のケンペスは、所属するブラジル1部リーグ・シャペコエンセでブラジル全国選手権9得点を記録するなど活躍。コパ・スダメリカーナ決勝を戦うため、コロンビアのメデジン遠征中にこの痛ましい事故は起きた。同大会で優勝を果たせば、来年スルガ銀行チャンピオンシップでルヴァンカップ覇者の浦和レッズと対戦する可能性もあったため、本人も日本凱旋を楽しみにしていたという。
「ハグをしたときの厚い胸板が忘れられません。体も大きい選手でしたが、心も大きな男でした。今回の件は言葉になりません。心からのご冥福をお祈りします」(唐井GM)。不慮の事故により、ケンペスの夢の一つである日本凱旋は叶わなかった。
(町田担当 郡司聡)
2016/11/30 15:36