佐賀県鳥栖市内のクラブハウスで24日、キム・ミヌの今季限りでの退団についての会見が行われた。
退団の理由は韓国の徴兵制度によるもの。30歳までに2年間の兵役をこなさなければならない。また、兵役を続けながらプレーできる軍または警察のチームに所属するためにはKリーグでのプレー実績が必要。延世大を中退して鳥栖にやってきたキム・ミヌはKリーグでのプレー経験がない。そのため、Kリーグで1年のプレー実績が必要となるため、30歳から逆算して3年前、27歳となる年には韓国に戻らなければならない。そのため、26歳となる今季がラストイヤーとなることが既定路線だった。
クラブとしては「残るためにさまざまな方法を模索した」(竹原稔社長)が叶わず。ギリギリまで手を尽くした結果、発表がこの時期まで延びることになった。
会見でキム・ミヌは「今年で7年目になるのですが、いろいろな人に支えていただいて、本当に感謝していますし、サガン鳥栖のサポーターのみなさんから本当に愛されたことは自分の中でも分かっているので、私もサガン鳥栖を愛しています」と挨拶した。7年間の中で一番印象に残っている出来事については「J1昇格が(事実上)決まった試合。徳島でのアウェイの試合」を挙げた。
「本当にこういう時間が来たんだなという感じがしますし、本当にサガン鳥栖を離れることを考えたことがなかったので。変な気持ちというか特別な気持ちがいま、しています」と会見中には切ない胸中を吐露する場面もあった。
マッシモ・フィッカデンティ監督は「(兵役を終える)3年後に(キム・)ミヌがまた戻れる状態になったとき、鳥栖で指導しているか確実に約束することはできないが、そういう状態でミヌのことを待っていられたら一番良い。もし、自分がいなくてもこの鳥栖という街は、クラブは、ミヌのことをいつでも歓迎するつもりで待っていると思うので、あまりお別れという形にならないようにしてもらえたら」とキム・ミヌの将来的な復帰、そして、残された時間でのサポーターの対応についてコメントした。
キム・ミヌ自身も「戻ってくることができたら私もうれしいです。でも、先のことは監督も言いましたがはっきりとは言えない」と将来的な復帰について願望を語った。
文・写真:杉山文宣(エル・ゴラッソ鳥栖担当)
(鳥栖担当 杉山文宣)
2016/10/24 14:22