9月1日に誕生日を迎え、岡山の渡邊一仁は30代に突入する。
東京学芸大を卒業後、『愛媛FCしまなみ』からスタートしたキャリアを見つめ直す渡邊。「セカンドチームのアマチュアから始まって、漠然とだけど、30歳までできたらなと思っていた」と話す言葉からは感慨が滲み、充実感も込み上げてくる。
「ここ2、3年、愛媛の最後の年から(のキャリアを)考えることが増えて、自分の形ができつつある感じがしている」と語る渡邊は、これからさらに成熟度を増していくことだろう。
「今季は本当に覚悟を決めないといけない」と決意して臨んだシーズンは、しっかりとJ1昇格を視野に捉えることのできる位置につけている。チームにとっても渡邊にとっても大きな挑戦となる戦いに向け、「本当に大事なのは基本に戻ること」と語った。
「今まで(勝ち点を)積み重ねてこられたのも、一人ひとりができないことをやろうとするのではなくて、できることをやってきたからだと思う。そこに戻って自分のできることをやり続けたい」。
決して浮つくことはなく地道に歩んできた渡邊は、J1昇格に向け、これから正念場を迎えるチームを着実に前進させてくれるはずだ。
(岡山担当 寺田弘幸)
2016/09/01 23:01