ブラジルから帰国して2週間が経とうとしている。オーバーエイジとしてリオ五輪に出場した塩谷司は、少しずつ気持ちの整理を付けていた。
「五輪から戻ってきて、感じたこと、思ったこと、言われていること、本当にいろいろある。それを全部心の中で整理しながら、自分がレベルアップしてもっともっと良い選手になるためにやっていきたい」。
初めての世界大会で経験した数々のことは「口では説明できない」と塩谷は言う。「あのチームで3週間くらい活動して、実際にあの舞台に立ってプレーした経験というのを言葉で表すことはできない。でも、肌で感じたことはたくさんあった。それをどう自分の中に吸収してこれからにつなげていくか。これから『サッカー選手としてこうしていきたい』、『人としてこうしていきたい』というのがあって、それをいま、自分の中で少しずつ整理を付けている段階」。
25日、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督が発表したロシアW杯アジア最終予選のメンバーの中に塩谷の名前はなかった。「W杯に出るだけではなくて、試合に出て戦おうと思ったら、本当にまだまだ。まずはこのチームを勝たせることからやっていく」。塩谷はリオ五輪で感じたことを胸に、自分と向き合い直して歩み始めている。
(広島担当 寺田弘幸)
2016/08/25 19:28