北九州のDF西嶋弘之が前節の金沢戦で今季初めてのメンバー入りを果たした。
開幕前のキャンプで足を痛めて長いリハビリ生活へ突入。復帰間近の5月末にまた別の箇所を痛めて再びリハビリに励むことに。このときはさすがに「ヘコみます」と弱音を口にしたが、これまでも大きなけがを負うたびに復活を果たして来た鉄人の精神力は並ではない。「徐々に、徐々に」と自らに言い聞かせるように慎重さを持って、つらく地味なリバビリトレーニングに黙々と汗を流してきた。
そうして夏真っ盛りの8月7日、アウェイの地ではあったが、昨季の最終節以来のリーグ戦の空気をようやく肌で感じた。ただ、「ああ、こんな感じやったなぁ」と意外にもあっさりとした感情だった。というのも、個人の感情に浸るために金沢まで来たわけではないと理解していたから。「いつ監督に呼ばれてもすぐにピッチに立てるように準備はしながら、でもチームがこういう状況なので、何よりも良い雰囲気作りが今日の自分の役割だと理解していた」と言う。
次の目標はもちろん今季初出場。「ここからが僕の本番。ここまで一緒に戦ってくれたメディカルスタッフと細かな気遣いを見せてくれたチームススタッフ、そして優しく支えてくれた家族に少しでも恩を返せるように頑張りたい」と言う西嶋に写真撮影をリクエストすると、近くにいた佐野貴洋広報の肩を引き寄せて笑顔でポーズ。これが西嶋という選手。
(北九州担当 島田徹)
2016/08/09 18:42