7日の町田市内は最高気温が35℃を越す猛暑だった。町田の練習開始は9時半頃で、最後に選手がピッチから引き揚げてきたのが13時前。強い日差し、照り返しという、極めて過酷な気象条件だった。
練習で使用される小野路グラウンドはピッチが人工芝。J2以上のクラブでは異例の環境だ。ピッチサイドに10m×70mほどの天然芝があり、短時間ながらそこも使われた。小野路グラウンドの人工芝は質の高い“フィールドターフ”だが、ピッチの硬さや夏場の高温など、天然芝に大きく劣る部分がどうしてもある。J1ライセンスの条件に“天然芝の練習グラウンド”があるのも、そういう背景だ。
相馬監督は少し意外な人工芝の難しさをこう説明する。「狭いエリア(の練習メニュー)をハードにやると、マメができてしまうんです。(マメができる理由はピッチの)熱ですね」(相馬監督)
人工芝は熱の発散が弱く、強い太陽光を浴びると過熱する性質がある。極端に言うと選手は“鉄板の上”に近い状況で練習している。狭いエリアで強い動きをすれば、強く踏ん張る回数が増え、汗で摩擦が強まることもあり、足裏は水ぶくれを起こしやすくなる。それが“人工芝とマメ”の因果関係だ。相馬監督は「選手がスパイクの裏に水をかけていますから。本当に可哀想ですね…」と顔を曇らせる。
「天然芝は風が吹くけど、ここは全く吹かないですね。モワーッとしているんです」(相馬監督)という違いもある。高温により対流が起こり、空気は下から上、上から下に循環する。横風がなくなるので、体感気温がさらに高まるのだ。
同じ小野路グラウンドでも、アカデミーの選手たちが使う夜間なら過酷さも薄れる。しかし日差しの強い時間帯に練習するトップの選手たちは、相手チームだけでなく、このような環境とも戦っている。
(町田担当 大島和人)
2016/07/07 18:43