
リーグ前半戦を戦い終えた6日、V・ファーレン長崎がV・ファーレン十八銀行フィールド近くの牧島漁港でボート体験を行い、週末の後半戦開始へ一体感を高めた。
これは、太鼓のリズムに合わせて細身のボートを漕いで速さを競う「ペーロン」と呼ばれる長崎の風物詩で、V・ファーレンは昨年もリーグ前半戦と後半戦の合間に開催している。2度目となる今回も、レギュラー、サブ、選手、スタッフの区別なくリラックスしたムードで行われた。
「思ったよりもきつくて、腕がパンパンです(笑)。チームが始動して時間が経ったけど、久しぶりに、みんなとゆっくりコミュニケーションが取れたと思うし、楽しかったです。」と永井が語るとおり、選手も素で楽しむことができたようだ。
この「ペーロン」だが、もちろん、楽しむことだけが目的ではない。
「ビッグクラブなら筋トレにトレーニングマシンを使うだろうけど、ウチみたいな地方クラブでは予算の都合もあるからそうはいかない。だから自分たちで工夫するしかない。近くの坂道を走ったり、ペーロンするのだってそのため。僕も高校・大学と決して設備面で恵まれたところでプレーしていた訳ではないし、プロになってからの広島もそうだった。だから、そこにあるものを創意工夫することで、設備に恵まれたクラブと戦ってたからね」
高木監督は常々そう語っているが、リーグ戦が続く中での緊張感を和らげ、チーム内のコミュニケーションを高めることを狙ったこの「ペーロン」もまさにその一環だろう。また、シーズン中は地域とふれ合う機会が少ない選手たちにとっても、長崎という町をより身近に感じられる機会となったはずだ。
苦しい戦いが続いたリーグ前半戦だが、こういった取り組みでメンタル面は切り替え易くなったはず。あとは成績を切り替えるだけだ。
(長崎担当 藤原裕久)
2016/07/07 18:39