G大阪の二川孝広(写真右)が28日に東京Vへ期限付き移籍。日本中に多少の驚きをもって伝えられたが、横浜FCの寺田紳一(写真左)はそのニュースは聞いて「うれしい」と感じたという。
「ああいう人なので(笑)。サッカーに思い入れのない人なんやろうなと思い込んでいた。2年くらい前からあまり試合に出ていなくて、そこで移籍もしなかったから、もうG大阪で引退するのかなと思っていた」
寺田にとって二川はG大阪ユースの大先輩であり、プロ入りしてからはトップチームの不動の10番にしてポジション争いの大きな壁でもあった。それだけに、二川が出場機会のために新天地を求めたことが「『サッカーに情熱があんねんや』って分かってうれしかった」(寺田)のだという。
と同時に、二川の力を誰より知るだけに、寺田はこのニュースを脅威にも感じていた。
「対戦するのはイヤ。決定的なパスを出してくるし、東京Vにとっては完全なプラスになると思う。若くて勢いがあってうまい若手の中に、ベテランとしてあの人が加わるわけだから」
無口でシャイな性格が東京Vに合わないのではないかとネット上などでは心配されているが、寺田も 「プライベートではきっと馴染めないと思う(笑)」と太鼓判を押す。ただ、「別にG大阪でも馴染んでなかったから(笑)。でも、コミュニケーションを取っていないのに、その人の特徴に合わせたパスを出してくる。何でそんな相手のことを分かったようなパスが出せるんやろって、ずっと思っていた」とのことで、サッカーではそこは関係ないようだ。
口数にはかなりの差があるが、感覚を大事にする天然系の10番タイプという意味で、二人は同系統。横浜FCと東京V、後半の対戦は8月14日にアウェイの味スタで行われる。二川が順調にフィットしていれば間違いなく実現する、G大阪出身の司令塔対決がいまから楽しみだ。
(横浜FC担当 芥川和久)
2016/06/30 19:35