「異議あり」と本人は言うかもしれないが、津田琢磨(DF)の甲府での約12年間のプロ人生は、その在籍期間の長さに対しても、貢献と努力と想いに対しても、充分に報われたとは言い難い。3度のJ1昇格、2度のJ2降格を経験する中、J2ではレギュラーでもJ1ではケガもあったが、サブに甘んじる時期が長かった。しかし、評価が高くなくても、不満を理由に腐ることなく常に万全の準備をやり続け、少ないチャンスにアピールし続けてきた。
津田が凄いのは、経験を武器にコンディションを整えながら現役を続けているのではない点。25歳の時よりも、34歳のいまの方がフィジカル面を含めてベストだということ。独自の筋トレ、内臓を冷やさないために夏でも温かいものを飲むなど、それ一つで何かが大きく変わることではないかもしれないが、試行錯誤の末に自分に合う“それ”をいくつも見つけ出し、積み重ねた結果がJ1の舞台で初めてのレギュラーというシーズンにつながっている。
「やっとみつけた」と津田琢磨が言う独自のコンディショニングの一つ。試合前日の練習後に軽めの負荷を適切にかけることで、「試合のアップから足が出るというか、足がよく回る」、そうだ。
(甲府担当 マツオジュン)
2015/09/11 19:00