関東大学サッカーリーグをもっと知ってもらうために、OB選手が大学時代を振り返る連載企画。9回目の今回は早稲田大OBの横山知伸が大学サッカーを語ってくれた。
――今週末に関東大学サッカーリーグが再開します。早稲田大学時代の思い出というと何がありますか?
「1年のときは東京都1部、2年次で関東2部、3、4年は関東1部とトントン拍子にチームとして一歩ずつカテゴリーを上げていく中で、相手に対するチャレンジャー意識がすごく楽しかったですね。自分が1年生のときの4年生は、『一つカテゴリーを上げて卒業する』みたいな意識を持ってくれていました。3年生になったときに関東1部でプレーできて、それは先輩たちが残していってくれたものかなと。4年生のときは、最高学年の大事さを感じました」
――4年生にはチームを引っ張っていく意識があったんですね。
「大学のときは、会議やミーティングのようなことが多かったですね。例えば1年生の仕事のミスに対してミーティングを開いて、『改善策はどうしたらいいか』とか。そうした会議は4年生だけでやっていました。高校のときにはなかったような話し合いをしていた印象があります」
――どのような議題があったんですか?
「本当に単純な例だと、ボールが1個なくなってしまって、1年生が探しても見つからなかったときに、結局『なかったんですけど』という話を4年生に持っていく。そして、それについて話し合うということもありました。試合会場にはメンバーに入らない1年生のうち4人くらいがマネージャーのような形で“チーム付き”として行くんですけど、『彼らにもいろいろ仕事があってボールを管理できなかった』という話になり、そこで4年生が『確かに現場には4人しかいなかったかもしれないけど、1年生はほかにもいっぱいいるよね。4人以外の1年生がボールの行方をしっかり見ておけば、紛失しなかったんじゃないの?』と指摘すると、1年生は『確かに』と納得する。高校生の時と比べると、ちょっと大人っぽい感覚を学んだところかなと思います」
――それでは自身が4年生になったときは大人っぽく…
「自分はほかの同級生に任せていました(笑)。『やってました!』って言いたいところですけれど、やってなかったので…チームメートに感謝です!」
――上級生は自分たちが上のカテゴリーでプレーできなくても、後輩を指導しながら成績も上げていっていたんですね。
先輩たちは「『自分たちは上のカテゴリーでできなくても、絶対に上げて卒業する』と言っていました。それがあったから最終的に関東1部で2年間プレーできたし、最後はインカレ優勝もできました。そういう意味では感謝しています」
――大学ならではの体験ですね。
「高校のときにはサッカーに対して意識の高い選手が集まっていたので、何か言えばみんな反応するという感じでした。対して大学は『サッカーだけじゃない』みたいなところがあって、『サッカーで食っていこう』という考えのやつだけじゃない。いろいろな価値観を持った選手がいる中で、いかに組織を強くするかということを話し合っていた印象がありますね」
9月5日(土)、6日(日)はJR東日本カップ2015第89回関東大学サッカーリーグの後記開幕戦にあたる第12節。詳しくは(一財)関東大学サッカー連盟オフィシャルサイトへ!
聞き手:大宮担当・片村 光博
(BLOGOLA編集部)
2015/09/02 15:01